2010年11月10日水曜日

お前のためなら鬼ヶ島・犬に萌えてんだよ

うちには犬がいる。


歴代何匹かいたのだが、現在は一匹の犬がいる。


「あげます」のチラシを見て「もらいます」ということで、うちに来た。名前はモモである。このモモという名前だが、メルヘンの祖ともいえる敬愛する児童文学作家ミヒャエル・エンデの代表作「モモ」の主人公の名前であり、これと、同じく氏の代表作である「果てしない物語」に出てくるヒロイン「幼ごころの君」という名前、この二作のどちらから名前を拝借するか迷ったのだが、うちの祖父が「おい、幼ごころの君、エサだぞ」と呼ぶ姿が想像できないために「モモ」となった、というのはもちろん嘘で、

言うまでもないことだが「モモ」という音を聞いて真っ先に思い出すのはバラ科モモ属の落葉小高木であり学名をAmygdalus persicaという「桃」の果実のことであり、そもそも僕が生まれたのが何を隠そうこの桃からということもあり、小さい頃ひょんなことから鬼ヶ島というところに行ってきた経験をブログにアップしていたところそれが出版され「桃太郎」という児童文学として語り継がれている。かつてキビ団子ひとつでホイホイついてきた先代の犬(こっちの名前はペコだった)に思いを馳せるとともに、うちのシンボルである桃そのものを、というのも実は嘘である。


僕が名付けたということは覚えているが、由来はさっぱり覚えていない。


ちなみにメスである。

「あげます」と言ってたひとの家にもらいに行ったとき、もともと六匹の赤ちゃんがいたなかで既に四匹は他の人にもらわれていっていた。残っていたのはこのモモともう一匹のオスだけだった。

なぜこいつが残っていたのか、その理由は覚えている。

ブサイクだったからだ。


残っていたのは二匹ともブサイクだったのだが、オスよりはメスのほうがいいかな、というなんとなくな理由で、こいつをもらって帰ってきた。

しかし、いまやこいつは美人ちゃんである。


今ではそう思っている。見れば見るほど味わい深いそのとんがった耳、いつまでも数えていられるヒゲ、艶やかに色気をかもす濡れた鼻、


その奥二重まぶたの瞳には何が映っているのか、まあ萌えちゃってんである。こいつのためならもういちど鬼ヶ島でもバングラデシュでも行ける、というのはちょっぴり嘘だが、まあカワイイ、そんな犬がうちにはいる。




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