「大寒」
この日には全国のあちこちで「大寒禊(だいかんみそぎ)」が行われる。暦上一年でもっとも寒い、ということになるこの大寒の日に水に浸かり、無病息災を願うのである。
山口県防府市、春日神社でも毎年開催されている。ここでは大寒の日から三日間連続で行われ、千円を納めれば誰でも参加することができる。見に行った日は三日目の最終日だった。
ちなみにこの神社、すぐそばに山陽新幹線が通っている。
まあボクぐらいになりますんと、いっとき寒い思いをして一年間健康的に過ごすよりも、一年間ぐだぐだの体調でも今寒くないほうがいい、と思えるぐらいのカリスマ投資家なので、「入ろうかな」などとはまったく思わず、財布も持たず(参加料が必要)カメラだけを手に見物に出かけたのだ。
ふんどし一丁でみそぎの時間を待つ男たち。女性の参加者もおり、こちらは全身の白装束である。
禊の前には境内内を走って二周し、最後に社の前を通ってから池に向かう。
入水前、船の櫓をこぐような動作で掛け声をかける。
男たちの揃った掛け声が真っ暗な境内に響く。不思議なことに見ているだけの我々さえも、寒さや冷たさといった感覚から解放されていくようだ。
入水。祝詞を唱え一年の無病息災を願う。無数のカメラからのフラッシュで彼らのからだが浮かび上がる。
水から上がる。この頃には水の冷たさというものは感じていないらしい。
最後にまた全員で掛け声を。冷たい池の水で濡れたふんどしや白装束がからだに張り付き、体温を奪っているハズだが、この段階で震えている者などひとりもいない。
参加するのは今年初めて、という大学生たちは、「本当に寒すぎて、マジで途中で上がろうと思った」と笑っていたが、その顔は晴れ晴れとしていた。何かをやりとげたふんどし一丁のオトコたちである。かっこいい。
この日22日は最終日ということもあり、最後に締めの行事が行われるのだが、本格的に冷えてきたので、クシュンクシュンと、風邪薬のストックがあったかどうかを気にしながら、早々に立ち去るのであった。
○山口県防府市、春日神社大寒禊のニュース
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20110120-OYS1T00568.htm
○防府市観光協会による紹介ページ
http://www.kanko-hofu.gr.jp/topics/winter/kasuga/taikan.html
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