2010年3月15日月曜日

寝起き突然のなつかしい、音と光とにおい

帰ってきてから、よく寝ていた。夕方から。

夜になっていた。七時の半ころムックリ起きると、カーテン越しの窓の向こう、びかびかびかと光る様子。寝起きの稲光だなあ、うるさい天井のファンを止めると、ばらばらばら、という音。少し慌ててカーテンを開ける、雨が降っている。

居候先のお手伝いさん、丸顔のミントゥさんに、冷静を装って「雨だね」と言う。丸顔のミントゥさんは本当に冷静に「雨の季節が、やってきます」と。

雨の季節はまだ先ではないだろうか、三月いっぱいぐらいはまだ降らなかったはず、まあなんでもアリか、などと思いながら丸顔ミントゥさんが用意してくれた料理を食べる。網戸にしていた窓を閉める。強さを増したきた雨が窓に打ち付けられる。ばらばらばら、ばら。

雨季一番、となるだろうかこの最初の雨は、この国にとってわくわくとするものなのだろうか、ここに約三年いても私はやはり「近頃の日本人」で、腹が満たされるにつれて、隠していた少しの興奮は消えて、「明日も降れば、移動が面倒くさいなあ」となった。

と、食事後ここまでの文章を書くあいだに雨はほとんど止みそうに。風が強い、家のそばにある椰子の木がざわざわと揺れている。窓をあけると流れ込んでくる、湿り気まじりの懐かしいにおいは、世界で一緒だなあ、と思うと、また眠くなってきた。